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Concept
なぜ自分の体はこんな形をしているのだろう?
そんな違和感を物心ついた頃からずっと感じていた。
理想の自分と現実の自分との間にギャップを感じることは、
多かれ少なかれ誰にでもあることだろう。
美醜について、性別について、機能について。
私は私の違和感を言葉で整理することは長い間できなかった。
アロエを見ては、なぜ自分は緑色をしていないんだろうと感じ、
鳥を見ては、なぜ自分には羽毛が生えていないのだろうと思う。
自分が人間の姿をしていることに対する違和感。
私のこの体は、私の心に適合する姿ではなく、ずれている。
私は想像する。この体が固有の形を失い別の何かに変化する様を。
分解され、土や、植物や、鳥や、水、自分以外の何かへ、移り変わるのを。
望む姿と、望む在り方を。
私が抱えてきた違和感と、理想。
私の絵はすべて一貫して変化について描かれている。
ある肉体が、土や水や大気に溶けるように少しずつ分解され、
もとの姿を失い、別の有機体へと変化していく過程である。
その変化は、長い時間をかけて行われるため、
劇的というよりもむしろ静的なものだ。
絵の中には、「時の流れ」という概念がおのずと浮かび上がってくる筈である。
ある物体が、それ以外の何かに移り変わっていくのに要する時間、
崩壊と再生に至る時間。空間を、物体を絶対的な力で貫く時間の存在。
ある時点では私は人間かもしれないが、ある時点では土塊かもしれないし、
ある時点では植物かもしれない。
今はただ、たまたま人間の姿を残しているだけで、
私は遥かな時間の流れの途中でいずれ望みの姿を得ることができるのかもしれない。
命と、変化と、それを貫く時間。
私が、私以外の何かになるためにはどれだけの時間が必要なのだろう?
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